さてどうしましょう:What should we do now ?
日本と世界の歴史散策


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OWLのひとりごと(5)政治・経済・教育

「消費税増税は延期すべし 〜デフレ脱却が最優先〜」 2014.11.17

消費税増税は延期すべし 〜デフレ脱却が最優先〜

 二〇一二年の衆議院総選挙により第二次安倍政権が誕生した。二〇一三年の参議院選挙でも勝利し、しばらく選挙のない安定した政権基盤の上で政策の実行がなされることになった。


 マーケットでは、二〇一二年秋の自民党総裁選挙で安倍晋三氏が勝った後、次を見越して株価が上昇し始めた。衆議院選挙で政権交代が実現するだろう。安倍氏のこれまでの言動から、脱デフレのための金融緩和政策が取られるだろう。日本の経済は良い方向に回転するだろう、と。


 円相場も同様に反応し、日本企業を長年苦しめてきた円高から円安の方向に動き始めた。どちらの指標も安倍政権が発足するとさらに動きが加速。


 二〇一三年三月、日銀総裁が白川行明(まさあき)氏から後継の黒田東彦(はるひこ)氏に代わった。白川氏を辞任に追いやっての交代劇と、黒田氏の異次元金融緩和政策は衝撃的なできごとだった。


 次の二つのグラフには、安倍政権誕生して一年経つまでの変動がまとめられている。





「日本の指導者はなぜ小粒になったのか」 2013.5.11

日本の指導者はなぜ小粒になったのか

 山内昌之さんの「偉人は何故生まれるのか」という記事(「産經新聞」二〇一二年三月二〇日)の冒頭に設問がある。「幕末維新の時には人材が輩出して良きリーダーが日本を指導したのに、現在の日本は何故に指導者に恵まれないのか」
答えは簡単明瞭、次の通り。
幕末に指導的人材が輩出したのは、江戸時代に積極的に育てたからである。其の後人材が払底したのは、明治以降、指導者を育てなかったからである





「失望の果て 次なる選択」 2012.12.7

失望の果て 次なる選択

 二〇〇九年の衆院総選挙で政権交代が実現。だが、期待されて誕生した新政権は、情けないほど、実に見事に期待を裏切った。既にあちこちで書かれているのでくどくど書かない。ただ我々は、与野党すべてを含め、要するに次の三つに失望したのだ。
 1)戦略がなく国難に耐えられない




OWLのひとりごと(6)隣国との関係

iii )日本はファシズムの国だったか? 2013.6.5

日本はファシズムの国だったか?

 隣国は「日本が反ファシズム戦争勝利の成果を否定し、戦後秩序を覆そうとしている」と非難する。尖閣問題に端を発した中国側の執拗な日本攻撃だ。


中国のプロパガンダ、宣伝戦


 そもそも尖閣諸島は隣国の関心の中になかった。東シナ海に石油・天然ガスが埋蔵されているとわかって初めて、一九七一年に領有を主張し始める。


 日中国交回復の頃、鄧小平はいわゆる「棚上げ論」を主張した。だが、一九九二年二月、隣国は領海法を制定して「棚上げ論」を自ら放棄。二〇一〇年の中国漁船の日本海上保安庁巡視船への体当たりが起こり、民主党政権による媚中・屈辱外交が続く。





OWLのひとりごと(12)日本人のルーツ Part Ⅲ

Ⅸ)日本語の成り立ち 2014.10.22

日本語の成り立ち



Ⅰ)日本語が孤立言語と言われて久しい


 日本語の系統は明らかではない。言語学からも音韻論からも「孤立言語」とされている。アルタイ諸語に入るという説もある。上代日本語(大和言葉、奈良時代の日本語)では、語頭に流音(ラ行)が立たず…





OWLのひとりごと(12)日本人のルーツ Part Ⅲ

Ⅹ)日本人は南から来た 2014.10.23

日本人は南から来た



Ⅰ)日本語が孤立言語と言われて久しい


 これまで「日本人は南から来た」ことを見てきた。簡単におさらいする。日本人の祖先が日本列島に到来した経路は、スペンサー・ウェルズや他の研究者が主張していたようなもの(次図のAとB)ではないだろう。むしろ海岸沿いルートをたどり、





妻に捧げる男の料理

チキンフリカッセ 2014.7.20

チキンフリカッセ


牛肉ピカタのグラタン 2012.5.11

牛肉ピカタのグラタン


鶏のバスク風煮込み 2012.5.8

鶏のバスク風煮込み


ブックシェルフ 千字で揺さぶる常識

古代日本「謎」の時代を解き明かす 2014.9.18

古代日本「謎」の時代を解き明かす



 古代日本の歴史?邪馬壹国の位置?大和朝廷と卑弥呼の関係?興味なく、何処でも良く、どうせ憶測!とあくまでシニカルだった。本書を読むまでは。
 大阪のビル建設時に膨大なボーリングデータが蓄積された。そのため古代大坂平野の地理は明らかになっていた。建築専門の著者は、古事記、日本書紀の記述を素直に読み、古地図と照合した。すると神武東征が史実として合理的な説明が可能だという。謎解きのキーは、他に黥面入墨(げいめんいれずみ)、春秋暦、偏見や既成概念による呪縛からの解放、そして常識の総動員だ。記紀、シナ、朝鮮半島の歴史書、考古学的な発見を総合的に論考すると




韓国人は何処から来たか 2014.9.11

韓国人は何処から来たか



 朝鮮人は何処から来たか。正面から論じた本はない。論ずるまでもないからだ。彼らは日本の誕生はるか前からいた。進んだ文化を持ち、日本の兄貴分だった。シナの文化は彼らの手を経て日本にやってきた。そう信じられて来た。だが科学的、論理的に検討を加えることで、定説の誤偽が明かされる。Y染色体DNAハプログループの研究、遺跡の数と種類、古代人の骨格、言語を検討して著者は結論する。韓国人は日本人と北方シナ人の混血だった。韓国語は日本語とシナ語の混成語だ、と。本書は読みやすい。前二書では他説を細かく取り上げた。だが本書では最低限。大胆な省略が分りやすさにつながる好例だ。
 旧石器時代




韓国人による沈韓論 2014.9.10

韓国人による沈韓論



 ウソつきはどこにでもいる。ただ日韓を比較すると二つ特徴がある。




竹林はるか遠く 日本人少女ヨーコの戦争体験記 2013.7.18

竹林はるか遠く 日本人少女ヨーコの戦争体験記

 一九四五年七月二十九日夜遅く、十一歳の少女川島擁子(ようこ)は、姉好(こう)と母に連れられ、住んでいた朝鮮半島咸鏡北道(かんきょうほくどう)の羅南(ラナム)という街を脱出する。そこは満洲との国境に近く、満洲で仕事をしていた擁子の父親と家族全員が共産ゲリラに命を狙われていた。他方、軍需工場に動員され留守だった兄淑世(ひでよ)は、仲間たちが虐殺される中をくぐり抜け、三人の後を追う。親切な朝鮮人農夫一家に生命を助けられ、臨津川(イムジン河)を渡り南へ脱出…




日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまでに違うのか 2013.7.12

日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか

 日本と中韓は全く違う。漢字、仏教、儒教などの要素は共有したことがあるだけ。なぜ相互理解できないのか?その理由を著者がまとめた。
 近代国民国家は法治主義が原則。だが中国に法治はない。人治のみ。大きな裁判は上の命令を聞き、普通の判決は金の多少で決め、小さな犯罪だけ法によって裁くという。対して日本人は聖徳太子の時代から遵法精神の塊だ。著者は両国人の特徴をまとめる。中国人は「詐盗争私汚」つまりウソをつき盗み、人と争い個人の利益を追い求め、汚いことも辞さない。日本人は「誠施和公浄」つまり誠実で人に施し、平和を好み、公共心に富み汚いことを嫌う、と




こうすれば日本はもの凄い経済大国になる 2013.7.8

こうすれば日本はもの凄い経済大国になる

 政策提言を行っている著者がアベノミクスの本質を易しく説く。そのキモはマクロ経済学だ。中央銀行が供給する通貨の総量(マネタリーベース)を増やすと、半年以内にインフレ予想率が高まる。実質金利が低下する。半年から二年経って輸出、消費、設備投資が増加する。実体経済が改善し、現実のインフレ率と賃金が上がる。以上の過程で株や不動産など資産価格が上昇し、為替は円安になる。重要なのは最初の大規模金融緩和による通貨総量増加である…




よくわかる慰安婦問題 2013.7.5

よくわかる慰安婦問題

 慰安婦問題を調べることになった著者は、驚くべきウソの国際ネットワークを発見する。本書はその足跡をまとめたものだ。奴隷狩りのような慰安婦徴用を行ったと韓国にまで行って謝罪する職業的ウソつき。自らキーセンに売られたと話す老女を「挺身隊として強制連行された慰安婦」と紹介するウソつき新聞記者。ウソとわかっても訂正しない無責任新聞社。大金二万六千円を貯めた老女の証言で日本を訴える厚顔無恥な弁護士。国連人権委員会に毎年出向き「慰安婦は性奴隷」と報告書に書かせた自虐的NGO活動家。すべてが日本人だ。著者の造語「反日日本人」は広く使われることになる…




だから、日本人は「戦争」を選んだ 2013.6.28

だから、日本人は「戦争」を選んだ

 日本人の多くは近現代史をネガティブに見る。ナチスと同様に人々を残酷に殺戮した。恥ずかしい。アジアに謝罪し続けるべきだ、と。だが日本はナチスのような残虐行為に手を染めていない。筆者は問う。我々の父祖は何の理由もなく闇雲に戦争を始めたのか?日本の加害性を殊更に強調する侵略論の他、日本を被害者と強調する陰謀論、軍人の驕りによる暴発論など諸説あるが、なぜ開戦に踏み切ったのか説明がない。それを積極的に問い本書にまとめた。
 日本の指導者には、欧米の植民地にはなるまいとの強い決意と自尊心があった。




嘘だらけの日中近現代史 2013.6.5

嘘だらけの日中近現代史

 のっけから断りが入る。本の題名がいきなり嘘。中国に近代などない。あるのは独裁の古代と殺戮の中世だけ。未だに近代国家ではない。中国という名前も嘘。中国何千年の歴史なぞ、支那大陸に人が住んでいた記録が何千年か残っている、くらいの意味でしかない、と。中国理解の三つの法則は、1)力がすべて、2)陰謀でごまかす、3)かわいそうな人たちで、ただひたすら殺伐とした国だという。わずか六十年の歴史の国に、日本人は意味不明な感情移入をし莫大な損害を被っている。治療の必要がある。相手のスッピンの顔を見て、腐れ縁の悪女から抜け出す。これが本書の目的だ、と…




読む年表 中国の歴史 2013.5.17

読む年表 中国の歴史

 中国史をこんな形で記述するとは!その自由な発想に驚く。マルクス主義発展的歴史観の束縛から離れ、虚構の民族国家五千年説を排する。たった二千二百年間、秦、漢、唐、元、明、清など異種族王朝が興亡しただけ。日本人は考える。中国は漢人の民族国家だ、と。だが漢族とはどの少数民族にも属さないという以上の意味はない。本書の中国を日本と同じ概念と考えてはいけない。中国という国家は二十世紀までなかった。その領土も皇帝の血筋もそこで暮らす人々も、時代ごとに大きく変化してきた。血や言語、民族のアイデンティティも存在しなかった…




それでも、日本人は「戦争」を選んだ 2013.5.13

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

 筆者が中高一貫私立男子校に出張講義した。そして出版されたのが本書だ。生徒に質問を投げ、当事者の立場で答えてもらう。インタラクティブな講義となり成功だったのだろう。例えば、9.11の米とかつての日本に共通する戦争の感覚とは何か?戦争は相手国の最も大切な社会基本秩序に変容を迫ること。敗戦で変更を余儀なくされた日本の原理は何か?レーニンの後継者としてトロツキーを指名しなかったのは何故か?西郷隆盛のようなカリスマ的リーダーを政府から遠ざけようと導入した考え方は何か?ローズベルトは敵の無条件降伏にこだわった。彼が第二次大戦終結時に誤用した歴史的出来事とは何か?また、これらはどんな結果を招いたか?など…




真実の満洲史 1894〜1956 2013.5.10

真実の満洲史 1894〜1956

 前作「真実の中国史」の続編。そもそも論がいつも面白い。中国人の歴史は、マルクス主義に結果中心史観をプラスしたものだ。必ず結果から過去を判断する。成功すれば正しい。失敗した奴は悪い。中国は正義で日本はすべて悪かった。日本の満洲進出は明治時代からの謀略。これが彼らの「正しい歴史認識」である。だが、歴史とは因果関係を明らかにすることだ…




中国に立ち向かう日本、つき従う韓国 2013.5.8

中国に立ち向かう日本、つき従う韓国

 日本がハッキリさせるべきことは何か?米中の間でどのように振る舞うかだ。本書はそれを問うている。我々は思っていた。韓国は米国の忠実な同盟国。同じ自由主義陣営の仲間だ、と。だが、隣国はすでに中国につき従うことを決めた。米国は日米韓共同で北や中国に対峙することを望んでいる。他方、中国の狙いは韓国の中立ないし米韓の離反だ。日経BPオンラインのコラム「早読み 深読み 朝鮮半島」をまとめたのが本書である。筆者はその中で、韓国の一連の変化を最初に浮き彫りにしたのだった…




あっぱれ!朝日新聞(笑) 2013.5.6

あっぱれ!朝日新聞

 築地をどりとは?「踊り子全員が左に傾きつつ旋回し、土下座を繰り返す…日本舞踊の流派。東京築地の朝日劇場で定期公演を行っている。論説主幹や、天声人語子らは名取。主催朝日新聞社。中国政府、韓国政府後援」なのだそうだ…




あっぱれ!懲りない朝日新聞(笑) 2013.4.24

あっぱれ!懲りない朝日新聞

 かつて新聞やテレビは広く尊敬されていた。だが時代は変わった。マスコミが造り出す通説を疑う人々が出現。ついに捻りに捻って嗤い飛ばす書物が登場した。テレビでも有名なコラムニスト勝谷氏による「あっぱれ!朝日新聞(笑)」である。本書はその続編。前書も売れた。本書も売れるだろう。築地に伝統芸能の劇場がある。本社、築地をどり宗家である。天声人語大名取、素粒子大名取、主筆や論説委員大名取、中堅や若手の名取たちが、流派独特の所作を繰り出す。お囃子社中が絶妙な間(あい)の手をつける演目を、観劇記者たる筆者が記事にする趣向だ…




千年、働いてきました 2013.4.16

千年、働いてきました

 世界最古の会社は大阪の金剛組。寺社建築に携わる千四百年以上続く老舗企業だ。飛鳥時代の五七八年に創業。欧州最古の企業の歴史はたかだか六四〇年。だが日本にはさらに古い老舗が百社近くある。創業百年以上の会社は日本に十万以上。これらは日本独特の現象だ。製造業が四五%にのぼる。日本は希有な職人のアジア。それに対して日本以外は商人のアジアだという…




未完の占領改革 アメリカ知識人と捨てられた日本民主化構想 2013.4.14

未完の占領改革

 YMCA系シンクタンクIPR(Institute of Pacific Relations、太平洋問題調査会)は一九二五年に設立された。学術、文化交流による友好促進を目指した。前年に米排日移民法が制定され対立が激化し始めた頃だ。国際会議は二〜三年毎に開催され、政治、経済、教育問題を討論した。満洲問題、日中戦争で政治色が強まり、日米開戦後に日本支部は解体。戦時中、四二年第八回モン・トランブラン、四五年第九回ホットスプリングの両会議では日本の戦後処分が主な議題だった…




学校では教えてくれない日本史の授業2 天皇論 2013.4.12

学校では教えてくれない日本史の授業2 天皇論

 天皇を軸とした日本通史。井沢ワールドは面白い。「日本史の教科書では…『通史』という長いスパンで歴史をとらえる視点に欠けている…ケガレ思想や怨霊信仰といった日本固有の宗教とも言える思想や、日本風に変化した外来思想についての記述が十分になされていない」と説く…




外務省の罪を問う 2013.4.5

外務省の罪を問う

 外務省はダントツの失敗作だという。日本国民はどれだけ悲惨な目にあってきたか。それを本書が明らかにした。これほど激しく大胆に外務省を批判した本はない。いや驚いた。外務省は五十三年間も全く謝罪しなかった。日米交渉打切りの最後通告手交が遅れた問題のことだ。原爆を落とした理由として、米大統領も参謀総長も真珠湾の騙し討ちをあげた。外務省の不手際が原爆投下に直結した。そう著者は主張する…




困った隣人 韓国の急所 2013.3.15

困った隣人 韓国の急所

 韓国の歴史観はどうしようもない。歴史を捏造し国民を洗脳。異議を唱える人を非難し正しい歴史を学べと叫ぶ…




チャイナ・ギャップ 噛み合ない日中の歯車 2013.3.8

チャイナ・ギャップ 噛み合ない日中の歯車

 蔣介石は迷っていた。支援は不十分。真の敵は共産党。いっそ南京汪兆銘のように日本になびき対日講和を結ぼうか、と。日本嫌いのルーズベルトは、一九四三年十一月、蔣をカイロに呼び米英中三大国の一つに祭り上げる。褒美をやるからと日本降伏まで踏みとどまらせた。何と米中密談でルーズベルトは沖縄を領有して良いと誘う。蔣は日本の恨みを買うと嫌がり断った。かくて沖縄領有の機会を失う。後に蔣は後悔し密談内容の秘匿を厳命。これは何を意味するか。中国には尖閣諸島領有権を主張する根拠がないのだ。本書著者は一通のメールを受け取った。中国の友人からだ。女史は中国公式サイト、米国務省公文書館で確認。本書を書きあげた。掘り起こしたカイロ密談を日中米三ヶ国とも直視してほしい。こう著者は切望する。




なぜアメリカは対日戦争を仕掛けたのか 2013.2.28

なぜアメリカは対日戦争を仕掛けたのか

 真実は一つだ。だが歴史観は一つではない。二〇一一年十二月八日、東京憲政記念館大ホールで、対米開戦七〇周年シンポジウムが開かれた。テーマは本書タイトルと同じ。講演内容を敷衍して本書がまとめられた。日米戦争とは何だったのか?なぜ起こったのか?日本が侵略国家として責任を一方的に負うべきなのか?はたして日本が加害者で、米英蘭とその植民地アジア地域が被害者なのか?あの戦争へと導いた歴史を公平に検証するとどうなるだろう?




日本被害史 世界でこんなに殺された日本人 2013.2.18

日本被害史 世界でこんなに殺された日本人

 日本兵は残虐で蛮行を働いた。これが通説だ。中国や韓国の抗日記念館には、おどろおどろしい蝋人形などが展示され、日本人は悪魔か殺人狂と説明されている。それを何の検証もなく受け入れ、平和主義者を自称する人間やメディアが日本には多い。加害者日本人は被害者として描くべからず。そうした空気の中、本書は敢えて日本人の被害記録をまとめた。中国での日本人虐殺事件、シベリア抑留などソ連関係の悲劇、朝鮮進駐軍・ヤクザや釜山収容所など朝鮮関係の事例。東京大空襲や原爆投下、占領下の殺人など米による悲惨。みな心傷めずして読めない。




アメリカは日本経済の復活を知っている 2013.2.15

アメリカは日本経済の復活を知っている

 デフレ克服は日本経済喫緊(きっきん)の課題だ。マクロ経済政策、主に金融緩和によって有効需要を創出し、景気回復とデフレ脱却を図ってインフレを予防する。この政策をリフレーションと呼び、年率換算数%程度の緩やかで安定したインフレを誘導する。米経済学者アーヴィング・フィッシャーが提唱した。米、EU、英などで導入され、デフレを回避している。何も特別な政策ではない。だが日銀は採用しなかった。著者は徹底したリフレ論者。かつての教え子白川方明(まさあき)現日銀総裁らの頑なさを指摘し、リフレが日本を救うと平易な言葉で説いたのが本書である。




病むアメリカ、滅びゆく西洋 2013.2.9

病むアメリカ、滅びゆく西洋

 原著はベストセラーだった。だが内容が過激で邦訳は見送られた。日本に紹介される米の言説はリベラルだけ。反リベラルや反グローバリズムの書物は、米で広範な支持を得ていても日本人の視界に入らない。偏向したスクリーニングで我々の米国像を歪めている。これに違和感を抱き邦訳したのが宮崎氏だ。

 西洋文明は衰亡の危機にある。一九六〇年、世界の四人に一人が白人だった。二〇五〇年は十人に一人となる。白人は死んでゆく




日本人はなぜ貧乏になったか? 2013.2.5

日本人はなぜ貧乏になったか?

 もう右肩上がりの日本には戻れない。低成長の成熟社会を目指すしかない。バブル崩壊は仕方がなかった。頑張りを忘れたので日本がダメになった。人口が減っているので停滞はとめられない。すでにゼロ金利の日銀に打つ手はない。大胆な金融緩和はハイパーインフレを招く。既に金融緩和をしたが効果がなかった。増税や支出削減など財政再建が先決だ。お金を刷るだけでは無意味、構造改革を優先せよ。日本人はまだ十分に豊かだ。著者によると全部ウソだという。




コミンテルンとルーズベルトの時限爆弾 2013.2.3

コミンテルンとルーズベルトの時限爆弾

 米は二つの対日政策で揺れてきた。ストロング・ジャパン政策とウィーク・ジャパン政策である。日露戦争では前者で膨張する露に対抗。日中戦争では後者だ。当時反日親中へ誘導したのがYMCA系シンクタンクIPR(Institute of Pacific Relations)のハーバート・ノーマンだ。共産党秘密党員の彼は主張した。専制的軍国主義の日本がすべて悪い。戦争に勝つだけでなく、容赦なく国家体制を解体し人民を解放すべし。この理論がGHQに採用された。だがほどなく日本は危険な敵国ではなく反共の同盟国となる。逆コースと呼ばれた。




戦後日本を狂わせたOSS「日本計画」 2013.1.18

戦後日本を狂わせたOSS「日本計画」 二段階革命理論と憲法

 現代史は歴史ではない。新資料の公開で書き換えられる。本書著者は書く。米国立文書館が戦時中のOSS文書を解禁したおかげで、日本の戦後史ががらっと変わった、と。OSSとはOffice of Strategic Services戦術局で一九四二年に創設された。日本計画という反日政策を立案、実施した。戦後メンバーはGHQに移り占領政策のほとんどを作る。こともあろうにOSSは社会主義者の集まりだった。




韓国が『反日』をやめる日は来るのか 2013.1.14

韓国が「反日」をやめる日は来るのか

 反日はレイシズムである。こう言い切る書物に私は初めて出会った。著者は語る。韓国人の反日は歴史体験の単純な所産ではない。幼い頃から日本への敵意、憎悪を学ぶ。公教育、年中行事、メディア、日常的、習慣的な刷り込みによって形成される。反日とは敵意ある日本批判。日本に対する蔑視や敵意、その思考や態度。反日ナショナリズムは常識や良心を破壊する。もはや制御できない怪物となった。やがて韓国人をも傷つける。野放しにすると危険だ、と




南京『大虐殺』被害証言の検証、技術屋が解明した虚構の構造 2013.1.9

南京「大虐殺」被害証言の検証

 南京大虐殺に関する論争は噛み合わない。あった、なかったの水掛け論になり、議論がすり替わる。現場と被害者を、次のように分けて考えた方が良いようだ。1)南京城内か、2)杭州湾上陸後から南京に至る途上でか。3)一般住民か、4)捕虜や便衣兵(ゲリラ)か。企業の元技術者だった著者は2)での3)に焦点を絞り、証言を検証しようと本書をまとめた。

 当時南京滞在経験を持つ父親から、著者はその様子をずっと聞かされて育った




データで読み解く中国経済 2012.12.13

データで読み解く中国経済

 尖閣諸島を狙う中国。日本が向き合うのは容易ならぬ相手だ。あれほど粗暴な振舞いを許す理由は、政府が国民の不満を逸らすために外敵を作るためだろう。ではその不満、格差の拡大、絶えざる幹部汚職の原因は何か。中国解説本は数多く出ているが、全体像の理解は困難だ。そもそも発表されるデータに信用できないものが多い。そこで…




なぜ日本人は、最悪の事態を想定できないのか 2012.12.6

新・言霊論、言霊(ことだま)

 四四〇万部以上売った「逆説の日本史」シリーズの著者は、日本の歴史や諸現象をあるキーワードを使って読み解いている。それは「言霊(ことだま)」で、一九九一年刊の著書で世に問うた。二十年経ち、福島第一原発事故を受けて書き直したのが、本書「新・言霊論」だ。箇所によっては、前著で用いた例が同様に使われている。だが、日本を蝕んでいる日本固有の行動原理の存在を…




韓国人が書いた 韓国が「反日国家」である本当の理由 2012.11.30

韓国人が書いた 韓国が「反日国家」である本当の理由

 反日感情の原因は、日韓併合と秀吉の朝鮮出兵だと思われている。だが著者は言う。それならば終戦直後が最も強く、時とともに薄れてゆくはずだ。慰安婦問題も八〇年代まで存在せず、米軍慰安婦の方が問題だった。歴史で現在の状況は説明し切れない。韓国には反日感情を生産、維持する社会システムがある。その中に生まれ育つと…




共産中国はアメリカがつくった 2012.11.29

共産中国はアメリカがつくった

 マーシャル・プランは米国が推進した戦後欧州の復興援助計画だ。G・マーシャルは時の国務長官。後にノーベル平和賞を受けた英雄を攻撃したのが、マッカーシズム(アカ狩り)の元祖マッカーシー上院議員。大戦後、米は東欧や中国を共産主義の手に渡さずに済んだ。それをむざむざ許したのは…




誰が殺した?日本国憲法! 2012.11.18

誰が殺した?日本国憲法!

 日本の未来は憲法にかかっている。条文を変えるか守るかではない。本当の意味で憲法を考えたい。憲法学専攻の本書著者はこう述べる。読んでみると我々の常識が試される。例えば人権である。人権は裁判所が守ると我々は思う。だがそれは建前らしい。大き過ぎることや小さ過ぎることを裁判所に持ち込まれては困ると言って、最高裁は憲法判断しない。戦後東大憲法学権威は人権こそ憲法の目的だと主張した。だが…




アメリカはアジアに介入するな! 2012.11.15

アメリカはアジアに介入するな!

 ソ連は一九二二年に外蒙古を清国から剥ぎ取った。一九二九年に満洲で軍閥張学良と戦った。だが世界は非難しなかった。他方、日本は一九三二年に満洲国を樹立する。非難され世界から孤立。ソ連はやりたい放題。日本はダメ!何故なのか?長年疑問だった。日中戦争から対米英戦突入直前の一九三七〜四〇年、世界世論はどのように形成されたか?…




中国の戦争宣伝の内幕 2012.11.11

中国の戦争宣伝の内幕

 一九三〇年代、極東の危機について中国のプロパガンダが氾濫していた。誰も日本を弁護しない。米国人は中国贔屓の情報を事実と考える。日中戦争での焦土作戦はナイーブな人々を感動させ、残酷な侵略者に対抗して身を守る高貴な行為と讃えた。しかし実態は、中国兵がいつも自国民にやっている放火、掠奪、強姦、虐殺だ。沢山の偽写真も新聞雑誌に載る。代表作は爆撃による廃墟に泣き叫ぶ赤ん坊の写真だ。…




暗黒大陸中国の真実 2012.11.06

暗黒大陸中国の真実

 十九世紀前半、ある宣教師は驚くべき光景を目にする。車数台に生身の人間が積まれ、手の甲が釘で車に打ち付けられていた。役人は説明した。ある村で盗みがあった。全員捕まえればその中に犯人がいる。それで連行した、と。周りの中国人は誰もそれを不自然と思っていなかった。彼らは自国民である匪賊、盗賊、強盗、軍閥兵士、国民党軍兵士、役人から、略奪され、足を叩き切られ、…




So Far from the Bamboo Grove 2012.10.14

So Far from the Bamboo Grove (竹林は遥か遠く)

 一九四五年七月二十九日夜遅く、十一歳の少女Yoko Kawashimaは、姉Koと母に連れられ、住んでいた朝鮮半島咸鏡北道(かんきょうほくどう)のNanamという街を脱出する。そこは満洲との国境に近く、満洲で仕事をしていたYokoの父親と家族全員が共産ゲリラに命を狙われていた。他方、軍需工場に動員され留守だった兄Hideyoは、仲間たちが虐殺される中をくぐり抜け、…




嘘だらけの日米近現代史 2012.10.12

嘘だらけの日米近現代史

 学校で習ったか、おぼろげに抱いている通説がいかに歴史的事実からかけ離れているか!本書は米国の歴史と日米近現代史に関する私たちの常識をとことん揺さぶる。
 米建国の歴史は捏造だらけ。対英独立戦争をしかけたが連戦連敗。逃げ回っていただけ。仏が英に宣戦布告してくれたおかげで勝利できた。ワシントンは




世界史のなかの満洲帝国と日本 2012.7.8

世界史のなかの満洲帝国と日本

 日本列島の外に出て行った日本人はみな悪いことをした。私たちはそう教えられた。だが本書著者は言う。中国人や朝鮮人はみな良い人で、日本人は全部悪かったなんて、少し考えれば変だとわかる。歴史に道徳を持ち込んではいけない。歴史は法廷ではない、と。では、なぜ日本人が大挙して満洲に出ていくことになったのか。…




世界史の誕生 2012.6.20

日本人はなぜ無宗教なのか

 日本人の宗教観に関する古典的な本。それが新書版で手軽に読める。ありがたいものだ。日本人の七割が「無宗教」で、その七五%が「宗教心は大切」と答えるらしい。無神論ではない。著者は「創唱宗教」と「自然宗教」に区別して考える。キリスト教、仏教、新興宗教などが創唱宗教。日本人の多くは、キリスト教などの信者ではないという意味で、自分が無宗教だと答える。…




世界史の誕生 2012.5.18

世界史の誕生

 世界史についての常識を、頭がクラクラするほど揺さぶってくれる本だ。千年以上も支那文化に養われてきた日本人の歴史観では、どの政権が「天命」を受け正統であるかを問題にする。明治期に翻訳された「万国史」では、ギリシア、マケドニア、ローマ、ゲルマンから分かれた英、仏、独が主に取り上げられている。これは「天命」が伝わった順で…




ブックシェルフ-2

ふしぎなキリスト教 2012.5.6

ふしぎなキリスト教

 戦後日本を特徴づけてきた日本国憲法、民主主義、市場経済、科学技術、文化芸術などは、いわばキリスト教というよその家からの養子であるという。ルーツを調べ、キリスト教を理解しないと、本当のヨーロッパ近現代思想はわからない。いまの社会が抱える大きな困難を乗り越えることもできない。…




千字でたどる日本の教会史

細川ガラシアたま 2012.4.8

細川ガラシアたま

 明智光秀の三女たまは、信長の媒酌で細川忠興(ただおき)と結婚。傍目も羨むほどの夫婦だったが、本能寺の悲劇が彼女を襲う。主君殺しの汚名により離縁、丹後の味土野(みどの)に幽閉される。秀吉の計らいで復縁したが、彼女に心の安らぎはなかった。忠興は諸侯にならい大坂に住むようになる。ある日彼女は知った。夫の親友高山右近が信じるデウスの教えが大坂にも広まっている。興味をつのらせた。…




侘び茶とキリシタン 2012.4.23

千利休像

 もともと書院造りの客間で豪華な茶会が盛んに催された。やがて炉の切られた四畳半以下の茶室(数寄屋、すきや)の中で、お点前(てまえ)をいただく侘び茶が登場する。信長は「茶湯御政道(ちゃのゆごせいどう)」として政治に取り込む。茶道具一つが城に値する世界だ。茶人千宗易は茶の湯が盛んな堺の商人だった。彼は信長の茶頭に選ばれる。…




困ったガスパール・コエリヨ 2012.5.7

フスタ船


 九州は島津の一人勝ちになっていた。残すは大友宗麟の豊後のみ。一五八六年四月、宗麟は秀吉を訪問し仲裁を依頼。その前月、イエズス会副管区長コエリヨも大坂城に赴く。オルガンティーノ、通訳フロイス、高山右近も同席。秀吉はいかにも親しくコエリヨに語りかけた。…




誰への従順か?高山右近改易 2012.6.26

高山右近


 高山右近、小西行長、黒田孝高(よしたか)、蒲生氏郷らにとって、九州征伐は大友、大村、有馬らを救う聖戦だった。一五八七年三月、旗幟(きし)や鎧兜(よろいかぶと)にイエスの苦難が標(しる)された軍団が大坂を出陣。孝高は秀長軍の監督として総勢十五万を指揮。行長は水軍の長、右近は前衛の総司令官だった。…




伴天連追放令 2012.7.13

名護屋城跡


 右近改易の翌朝、秀吉は家臣を集め伴天連を悪く言った。「奴らは雄弁にしてよく仕組まれた言葉、および…甘物の中に毒を潜め…大身、貴族、名士を獲得しようとして活動している。このいとも狡猾な手段こそは、日本の諸国を占領し、全国を征服せんとするためであることは微塵だに疑惑の余地を残さぬ…予はそれらすべての悪を成敗するであろう」…




誰が奴隷売買の責めを負うのか 2012.7.20

by Josiah Wedgwood


 右近改易がなされた同夜、秀吉は使いを送ってコエリヨらを突然叩き起こし、四項目の詰問をする。その四、なぜポルトガル人は日本人多数を奴隷として売り飛ばすのか。十六世紀後半、交易目的で渡海する人は少なかった。だが、アジア諸国に日本人が在留した形跡は多い。これはポルトガル船による奴隷輸出で説明できるという。奴隷売買は厳然たる事実だった。…




同化策宣教師の戦闘性 2012.8.15

レコンキスタ時代のイベリア半島


 コエリヨは順次対策を講じた。まずキリシタン大名に秀吉への対抗を呼びかける。だが有馬晴信と小西行長は応じなかった。次にフィリピンに援軍を求める。だがフィリピン側は拒否。さらに再来日前だったマカオのヴァリニャーノに依頼する。兵隊二〇〇人、食糧、弾薬の持参とスペイン国王へ軍事援助を。ヴァリニャーノは驚き、集められた武器、弾薬をすべて極秘裏に売払う。そして強調した。国内の戦争には介入しない。これら無分別で軽率な振舞いはコエリヨの独断だった、と。…




ヴァリニャーノ再来日と四少年 2012.8.22

聚楽第屏風図


 一五八七年、秀吉は伴天連に二十日以内の国外退去を命じたが、ポルトガル船がすぐ出帆することは不可能だった。コエリヨは秀吉にしばしの猶予を陳情。宣教師たちは平戸に集まり、誰も国外退去とならずに済むよう諮った。周章狼狽の彼らをよそに、秀吉は余裕しゃくしゃくだった。一年二年と経っても、別の布告を出すことなく、伴天連の残留を黙認していた。松田毅一氏は評している。秀吉はすでに満足だった。もはや生殺与奪の権を握っていると同様のバテレンを、謹慎状態のまま九州の一角に見て見ぬふりをしていることを得策とした、と。…




唐入りとキリシタン武将たち(文禄の役) 2012.8.30

文禄の役・釜山城攻略/『釜山鎮殉節図』


 天下統一後、秀吉は「唐入り」に取りかかる。天皇を北京におき、自分は寧波(にんぽう)に移り、天竺(インド)まで版図に収める計画だ。動員できた軍勢は三十万人以上。戦国乱世を戦い抜いた精鋭で、鉄砲の武装率は世界最高だった。元のフビライや清のヌルハチはもっと少数の兵で中原(ちゅうげん)を制圧した。秀吉の野望もあながち無謀ではなかった。ただ、…




小西行長は平和の徒か?(慶長の役) 2012.9.7

『朝鮮戦争海戦図屏風』


 秀吉は明が降伏したと思い込み、明は秀吉服従の報を受けた。小西行長は偽りの降伏文書を作り、明は日本王の称号を授ける冊封使を派遣。秀吉は怒る。当然、講和は決裂。自分も騙されたと強調したのか、行長の責任は問われなかった。先導を約束した朝鮮が背いた。それが秀吉側からの見方で、朝鮮は憎悪の対象となった。…




フランシスコ会士バウチスタ 2012.9.23

バウチスタ師像


 原田喜右衛門というぺてん師がいた。スペイン領フィリピンの軍備が貧弱であると秀吉に告げ、今なら隷属させられると約束。秀吉は傲慢で脅迫的な国書を送った。日本の侵攻を恐れたフィリピンはドミニコ会コボ師を派遣。秀吉との謁見で、原田はマニラ総督の親書を都合良く通訳し秀吉を満足させた。船が難破しコボが死亡。…




サン・フェリペ号事件 2012.10.02

スペインのガレオン船(デューラー画)


 一五九六年、日本は天変地異に見舞われた。浅間山噴火で京都にも火山灰が降る。M7クラスの大地震が三度あり、死者多数を出し建物は崩壊する。その後長引く余震と台風で民は悩んでいた。他方、スペインの大型船サン・フェリペ号が台風に遭い、土佐、浦戸の浜に漂着した。領主長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)は、奉行の一人増田右衛門尉長盛(ましたうえもんのじょうながもり)に相談。増田から秀吉に南蛮船漂着の報告がなされた。それは明からの使節との交渉が決裂し、…




ゴルゴタへの道 2012.10.10

二十六聖人発祥の地(京都四条病院救急入口)


 宣教師とキリシタン全員を処刑せよ。一五九六年十一月、秀吉は奉行石田三成に命じた。三成はフランシスコ会に絞るよう秀吉を説得。その甲斐あってイエズス会関係者は除外された。ただ大坂にいたパウロ三木、ディエゴ喜斎(きさい)、ジョアン五島の三人は救えなかった。フランシスコ会ではバウチスタ師ら京都の五人、大坂のマルティーノ師が捕まった。代官は個別調査をしてフランシスコ会かどうか聞いてまわらせたという。信徒たちは…




十字架の二十六人 2012.11.26

長崎西坂の公園


 肥前彼杵(そのぎ)の港で、二十六人は首に縄をかけられ後ろ手に縛られた。大村湾を船で越えて対岸の時津(とぎつ)に着き、船中で一夜を明かした。午前六時頃、一行は最後の行程十二kmを歩き出す。急がされつつ歩みを進め、浦上のサン・ラザロ癩病院で休息をとった。一行はパシオ神父に会い、イエズス会の三人は告解を済ませた。ディエゴ喜斎とジョアン草庵は誓願を立ててイエズス会修道士となった。五島からジョアン草庵の父も来て「元気でゆけよ、…




更新情報

  • 2014年10月23日、日本人のルーツ(Ⅹ)「日本人は南から来た」を公開しました。
  • 2014年10月22日、日本人のルーツ(Ⅸ)「日本語の成り立ち」を公開しました。
  • 2014年10月13日、PC、Macユーザーの方はコメントが入力できるようになりました。アバウト(About)にお進みください。スマートフォン、タブレット端末には未対応です。
  • 2014年9月18日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「古代日本『謎』の時代を解き明かす」をアップしました。
  • 2014年9月11日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「韓国人は何処から来たか」をアップしました。
  • 2014年9月10日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「韓国人による沈韓論」をアップしました。
  • 2014年7月20日、妻に捧げる男の料理「チキンフリカッセ」をアップしました。
  • 2014年1月26日、OWLのひとりごと「日本人のルーツⅡ(8)」日本人はどこから来たのか?をアップしました。
  • 2014年1月19日、OWLのひとりごと「日本人のルーツⅡ(7)」日本人Y染色体DNAハプログループの特徴をアップしました。
  • 2014年1月12日、OWLのひとりごと「日本人のルーツⅡ(6)」Y染色体DNA解析のインパクトをアップしました。
  • 2013年12月31日、OWLのひとりごと「日本人のルーツⅠ(5)」グレートジャーニーをアップしました。
  • 2013年10月5日、OWLのひとりごと「日本人のルーツ」のアウトラインのみアップしました。
  • 2013年8月9日、OWLのひとりごと「取材日記」長崎、平戸、生月島に関する記事の完成版をアップしました。
  • 2013年7月19日、OWLのひとりごと「取材日記」を追加し、長崎に関する記事のを載せました。
  • 2013年7月18日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「竹林はるか遠く 日本人少女ヨーコの戦争体験記」をアップしました。
  • 2013年7月12日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「日本人は中国人、韓国人とこれほどまで違うのか」をアップしました。
  • 2013年7月8日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「こうすれば日本はもの凄い経済大国になる」をアップしました。
  • 2013年7月5日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「よくわかる慰安婦問題」をアップしました。
  • 2013年6月28日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「だから、日本人は『戦争』を選んだ」をアップしました。
  • 2013年6月5日、OWLのひとりごと(6)隣国との関係に「日本はファシズムの国だったか?」をアップしました。
  • 2013年6月4日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「嘘だらけの日中近現代史」をアップしました。
  • 2013年5月17日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「読む年表 中国の歴史」をアップしました。
  • 2013年5月13日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」をアップしました。
  • 2013年5月11日、OWLのひとりごと(5)政治・経済・教育に「日本の指導者はなぜ小粒になったのか」をアップしました。
  • 2013年5月10日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「真実の満洲史 1894〜1956」をアップしました。
  • 2013年5月8日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「中国に立ち向かう日本、つき従う韓国」をアップしました。
  • 2013年5月6日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「あっぱれ!朝日新聞(笑)」をアップしました。
  • 2013年4月24日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「あっぱれ!懲りない朝日新聞(笑)」をアップしました。
  • 2013年4月16日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「千年、働いてきました」をアップしました。
  • 2013年4月14日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「未完の占領改革」をアップしました。
  • 2013年4月12日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「学校では教えてくれない日本史の授業2 天皇論」をアップしました。
  • 2013年4月5日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「外務省の罪を問う」をアップしました。
  • 2013年3月15日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「困った隣人 韓国の急所」をアップしました。
  • 2013年3月8日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「チャイナ・ギャップ 噛み合ない日中の歯車」をアップしました。
  • 2013年2月28日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「なぜアメリカは対日戦争を仕掛けたのか」をアップしました。
  • 2013年2月18日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「日本被害史 世界でこんなに殺された日本人」をアップしました。
  • 2013年2月15日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「アメリカは日本経済の復活を知っている」をアップしました。
  • 2013年2月9日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「病むアメリカ、滅びゆく西洋」をアップしました。
  • 2013年2月5日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「日本人はなぜ貧乏になったか?」をアップしました。
  • 2013年2月3日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「コミンテルンとルーズベルトの時限爆弾 迫り来る反日包囲網の正体を暴く」をアップしました。
  • 2013年1月18日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「戦後日本を狂わせたOSS『日本計画』 二段階革命理論と憲法」をアップしました。
  • 2013年1月14日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「韓国が『反日』をやめる日は来るのか」をアップしました。
  • 2013年1月9日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「南京『大虐殺』被害証言の検証、技術屋が解明した虚構の構造」をアップしました。
  • 2012年12月29日、ブックシェルフ:BookShelf-2に「世界に正しく伝えたい日本の美しい『こころ』」をアップしました。
  • 2012年12月26日、ブックシェルフ:BookShelf-2に「レ・ミゼラブル25周年記念コンサート」をアップしました。
  • 2012年12月26日、ブックシェルフ:BookShelf-2に「すらすら読める英語対訳・幕末維新史」をアップしました。
  • 2012年12月13日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「データで読み解く中国経済」をアップしました。
  • 2012年12月7日、OWLのひとりごと(5)政治・経済・教育に「失望の果て 次なる選択」をアップしました。
  • 2012年12月6日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「なぜ日本人は、最悪の事態を想定できないのか 新・言霊論」をアップしました。
  • 2012年11月30日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「韓国人が書いた 韓国が『反日国家』である本当の理由」をアップしました。
  • 2012年11月29日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「共産中国はアメリカがつくった」をアップしました。
  • 2012年11月26日、千字でたどる日本の教会史(37)「十字架の二十六人」をアップしました。
  • 2012年11月19日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「心でっかちな日本人 集団主義文化という幻想」の修正版をアップしました。
  • 2012年11月19日、ブックシェルフ:千字で揺さぶる常識に「下流社会 新たな階層の出現」の修正版をアップしました。
  • 2012年11月18日、ブックシェルフ千字で揺さぶる常識に「誰が殺した?日本国憲法!」をアップしました。
  • 2012年11月15日、ブックシェルフ千字で揺さぶる常識に「アメリカはアジアに介入するな!」をアップしました。
  • 2012年11月11日、ブックシェルフ千字で揺さぶる常識に「中国の戦争宣伝の内幕」をアップしました。
  • 2012年11月6日、ブックシェルフ千字で揺さぶる常識に「暗黒大陸中国の真実」をアップしました。
  • 2012年10月14日、ブックシェルフ千字で揺さぶる常識に「So Far from the Bamboo Grove(竹林は遥か遠く)」をアップしました。
  • 2012年10月12日、ブックシェルフ千字で揺さぶる常識に「嘘だらけの日米近現代史」をアップしました。
  • 2012年10月10日、千字でたどる日本の教会史(36)「ゴルゴタへの道」をアップしました。
  • 2012年10月2日、千字でたどる日本の教会史(35)「サン・フェリペ号事件」をアップしました。
  • 2012年9月21日、千字でたどる日本の教会史(34)「フランシスコ会士バウチスタ」をアップしました。
  • 2012年9月7日、千字でたどる日本の教会史(33)「小西行長は平和の徒か?(慶長の役)」をアップしました。
  • 2012年8月30日、千字でたどる日本の教会史(32)「唐入りとキリシタン武将たち(文禄の役)」をアップしました。
  • 2012年8月22日、千字でたどる日本の教会史(31)「ヴァリニャーノ再来日と四少年」をアップしました。
  • 2012年8月15日、千字でたどる日本の教会史(30)「同化策宣教師の戦闘性」をアップしました。
  • 2012年7月20日、千字でたどる日本の教会史(29)「誰が奴隷売買の責めを負うか」をアップしました。
  • 2012年7月13日、千字でたどる日本の教会史(28)「伴天連追放令」をアップしました。
  • 2012年7月8日、ブックシェルフ千字で揺さぶる常識に「世界史のなかの満洲帝国と日本」をアップしました。
  • 2012年6月28日、ブックシェルフ千字で揺さぶる常識に「東アジア『反日』トライアングル」をアップしました。
  • 2012年6月26日、千字でたどる日本の教会史(27)「誰への従順か?高山右近改易」をアップしました。
  • 2012年6月20日、ブックシェルフ千字で揺さぶる常識に「日本人はなぜ無宗教なのか」をアップしました。
  • 2012年5月18日、ブックシェルフ千字で揺さぶる常識に「世界史の誕生」をアップしました。
  • 2012年5月8日、妻に捧げる男の料理「鶏のバスク風煮込み」をアップしました。
  • 2012年5月7日、千字でたどる日本の教会史(26)「困ったガスパール・コエリヨ」をアップしました。
  • 2012年5月6日、ブックシェルフ-2に「ふしぎなキリスト教」をアップしました。
  • 2012年4月23日、千字でたどる日本の教会史(25)「侘び茶とキリシタン」をアップしました。
  • 2012年4月15日、引っ越しをほぼ完了しました。Photos、Moviesはまだ工事中です。旧サイトは実質的に利用できなくなりました。ご了承ください。
  • 千字でたどる日本の教会史(26)「困った人ガスパール・コエリヨ」を、2012年5月7日にアップロードする予定です。
  • 2012年4月6日、千字でたどる日本の教会史(24)「細川ガラシアたま」をアップしました。
  • 2012年4月6日、サーバー変更に伴って本サイトをリニューアルし、本日、仮公開しはじめました。旧サイト(http://web.me.com/pekpekpek/)同様、どうぞよろしくお願いします。まだまだ引っ越しの混乱が続くかもしれません。しばらく旧サイトと併用してご利用ください。