空撮
ドローンが来た
クワッドコプター「Dji Phantom 2」
dji Phantom 2
2014年12月末、我が家にドローンがやってきた。この無人飛行機はコンピュータ制御の四つのモーターでプロペラをまわし、空中に浮かんだまま姿勢を保持することができる。ホバリングと呼ばれる。
上昇下降、前進後退、左右への移動、左右旋回も可能だ。この無人機は何の役に立つのか?何をするのか?人ができないことを代わりにやってくれる。空から見た光景を簡単に撮影できるのだ。空からの撮影は「空撮」「Aerial Shoot」と呼ばれる。
落下の危険はゼロではない。そのためなるべく広い場所で飛ばす。登録制の免許を手に入れ、万が一のための保険にも入った。
2014年12月というと、首相官邸に放射性物質をドローンで運んだ犯罪(テロ)行為が起こる半年前である。一般には注目を集めていなかった。
首相官邸への犯罪行為の後には、具体的に規制する法律がないのを盾にとって、未成年者が「お祭りで飛ばす」「何が悪い?!」と強硬に主張。そして逮捕されたとの報道も続いた。安全第一に飛ばそうとしている私たちにとっては迷惑な流れだった。
何らかの規制をする方向で話が進んだ。住宅密集地ではダメ、夜間もダメ、150m以上の高度で飛ばしてもいけないなどが法律で決められた。
アクションカム「GoPRO Hero3+」
GoPRO Hero3+
撮影にはカメラが必要だ。アクションカム「GoPRO Hero3+」という米国製のカメラを載せて我が家のドローンは飛ぶ。
姿勢制御装置「Dji Zenmuse H3-3D」
姿勢制御装置 dji Zenmuse H3-3D
カメラの姿勢制御にジンバルという装置が使われる。写真はジンバルが取り付けられたドローンの下部である。後ろから撮影した。ジンバルにはカメラが取り付けられている。
テストフライト
720pHD以上推奨。
慎重にテストフライトを行なった。
初空撮「Aerial Shoot」/ソフトウェアで編集しYouTubeにアップ
720pHD以上推奨。
最初のトライアルは街の中心部の公園で行なった(規制される前で当時は合法)。ただ上昇して降りてくるだけ。撮った動画をソフトウェアで編集し音楽をつけ、YouTubeにアップロードする。これまで目にしたことのない光景が広がっていた。
初日の出を撮る!
720pHD以上推奨。
2015年1月1日早朝、初日の出を撮った。日の出時刻に一度上げる。しかし何故か失敗していた。録画されなかった。
ダメもとで再度トライ。実は地平線にわずかな雲が横たわっていた。実際の日の出が観察される時刻は少しだけずれた。結果としてタイミングちょうど良く、絶妙なショットが撮れた。
「他の誰にも撮れない映像」の感動
720pHD以上推奨。
英国のストーンヘンジ上空で飛ばして撮影した。私たちの視野がどれほど狭いものであるか、少しだけわかるような気がする。
星景写真とタイプラプス撮影
星景写真とタイムラプス撮影への誘い
タイムラプス撮影とは?
720pHD以上推奨。
空撮に使ったアクションカメラには写真を一定間隔で撮影する機能が付いている。後で何十枚〜何百枚という写真をつなぎ合わせ、パラパラ漫画のような動画にする。
こうした手法はタイムラプス撮影、インターバル撮影、微速度撮影などと呼ばれる。これがまた楽しい。新しい発見の連続だ。山に登って日の出の様子を撮影した。
デジタルカメラにも同様な機能がある。三脚に取り付けて空を撮るだけで、次のような驚きを味わうことも可能だ。1:40〜2:10 あたりに注目されたい。
720pHD以上推奨。
星景写真とは?
Panasonic LUMIX DMC-GH4
もともと星を撮影しようとは考えていなかった。しかしタイムラプス撮影で星が動くようすが撮れる。これまで見たことのない映像にできることが判明。状況が一変。ぜひ撮ってみたい。そう考えるようになった。
星と風景を一緒に撮影するのを星景写真と呼ぶ。多機能のデジタル一眼カメラを購入。入手したのはミラーレス一眼カメラである。
永い間コンパクトデジタルカメラしか使っていなかった。一眼カメラは学生時代に父親に購入してもらって以来だ。当時はもちろん銀塩フィルム。いま手許にあるものの残念ながら使える状態ではなかった。父には申し訳ないことをした。
ポータブル赤道儀
Vixen ポータブル赤道儀「ポラリエ」
星景写真は三脚にカメラを固定して撮るのが基本だ。実に単純である。
ただ、どんなに明るくても星の光は微弱である。長時間光を集めることになる。長時間シャッターを開けば鮮明な星の像を結ぶ。しかし今度は地球の自転のため、星は流れて線状に写ってしまう。点にはならない。点の像を結ぶか流れるか微妙なところだ。
そこで赤道儀の出番となる。地球の自転に合わせてカメラを動かしてくれる。もっとも完全に星を追いかけると、こんどは風景が流れてしまう。
上の写真が我が家のポータブル赤道儀である。地球の自転の半分の速度でカメラを動かすよう設定できる。天体望遠鏡を制御するほどの精度をもった本格的な赤道儀は不要だ。
河口湖に遠征
河口湖畔北岸にカメラと三脚をセット
星景写真のタイムラプス撮影にさっそくチャレンジすることにした。目標は富士山と湖と星。真冬の2月6日の午後から一晩かけて。凍てつく中、たった一人河口湖北岸にいた。寒かった。でも天体ショーを独り占め。満足だった。
ソフトウェアによる編集とYouTubeへのアップ
1440pHD以上推奨。
その時の動画がこれだ。月が途中から出て来た。星見の天敵ではある。しかし月の光に照らされた富士山もまた格別だ。ある方が日光浴ならぬ「月光浴」と名付けた。言い得て妙である。
桜満開の河口湖畔
1440pHD以上推奨。
春、桜満開の頃にも同じ場所に遠征。今回は新月。星の躍動が見られる。ただ地平線近くの人工の光の害の影響をあまり受けないよう露出は抑え気味となった。天の川を含む星の見え方としてはイマイチの印象があるかもしれない。星座や星の名前を解説としてつけたムービーは次のバージョンをご覧いただきたい。
1440pHD以上推奨。
真冬の山中湖パノラマ台
1440pHD以上推奨。
真冬の山中湖パノラマ台から富士を望んだ。寒かった。星だけの写真、富士を入れた写真をひたすら撮り続けた。
春の本栖湖
1440pHD以上推奨。
春の本栖湖にも遠征した。この夜は月が夜半まで富士を照らしていた。天の川がハッキリと写し出せたのは午前1時半以降である。
飛行機や人工衛星の光跡が目立つ。それらに交じって流星もカメラに納まっていた。わかりやすいように動画の 1:38〜1:48 附近にまとめた。
本栖湖は千円札の絵柄に採用された写真家岡田紅陽氏の作品が撮影された場所である。次の写真を見比べていただきたい。
本栖湖から富士を望む
千円札裏面の図案
また本栖湖への道のりと帰り道の様子を車載カメラから撮影した。一本の動画にまとめてある。お遊びだがご笑覧いただきたい。
720pHD以上推奨。
美し森へ遠征
1440pHD以上推奨。
標高が高いほど、光の害がないほど好条件だ。満天の星となる。東京から比較的手軽に行ける、ある程度条件の良い場所の一つ、山梨県北西部北杜市に遠征した。八ヶ岳の南東の裾野にある「美し森」だ。
5月下旬だったがたいへん寒かった。標高1000mを越えていて強風もあった。撮影中は車の中で寒さをしのぐしかなかった。しかし綺麗な星は格別。異次元の世界だった。
飛行機や人工衛星の光跡に交じって、流星もカメラに納まっていた。動画では 2:22〜2:32 あたりにまとめてある。
九十九里浜の東浪見(とらみ)海岸から天の川を
1440pHD以上推奨。
海岸も光害がない。九十九里浜は東側〜南北と空は真っ暗だ。東浪見(とらみ)海岸に行ってみた。海鳴りを聴きながらカメラや望遠鏡をセットする。月が出て来たが何とか天の川は撮れた。
露出不足気味で撮影するクセがついていたので、ムービーを作成する段になりコンピュータ上で露出を調整。ノイズが目立ちあまり綺麗な絵ではないのは残念だ。次回からは適正露出で撮影しよう。