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日本と世界の歴史散策


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千字で揺さぶる常識 OWL のひとりごと

lxi )古代日本「謎」の時代を解き明かす

2014.9.18


古代日本「謎」の時代を解き明かす


長浜浩明著、二〇一二年四月、展転社


古代日本史ファンを新たに生み出すエキサイティングな仮説


 古代日本の歴史?邪馬壹国の位置?大和朝廷と卑弥呼の関係?興味なく、何処でも良く、どうせ憶測!とあくまでシニカルだった。本書を読むまでは。
 大阪のビル建設時に膨大なボーリングデータが蓄積された。そのため古代大坂平野の地理は明らかになっていた。建築専門の著者は、古事記、日本書紀の記述を素直に読み、古地図と照合した。すると神武東征が史実として合理的な説明が可能だという。謎解きのキーは、他に黥面入墨(げいめんいれずみ)、春秋暦、偏見や既成概念による呪縛からの解放、そして常識の総動員だ。記紀、シナ、朝鮮半島の歴史書、考古学的な発見を総合的に論考すると、日本の古代史、日本と半島の歴史の絡みが、あざやかに浮かび上がって来る。これは面白い!と思えるほど。
 倭は日本とイコールではない。半島南部から北部北九州だった。倭の男性はみな顔に入墨していた。古事記によると、近畿地方の女性が訝しく訊ねた。珍しかったからだ。邪馬壹国の場所は筑紫平野南西部の山門。豊葦原とは貴重な褐鉄鉱を生む母なる葦原という意味。各地に埋められた広鋒銅矛(ひろさきどうほこ)や銅鐸は、葦が生い茂り褐鉄鉱が沢山採れることを祈った象徴だという。そもそも記紀の年代はそのまま西暦にしてはならない。古くは春秋暦が使われていた。そう計算すると他史料とバッチリ整合性が保てる。日本書紀の記者も春秋歴の存在が分からず、伝承通り愚直に記述した。闕史八代(けっしはちだい)の天皇も実在した。神武東征で日向から出兵した磐余彦命(いわれびこのみこと)が大坂に侵入し川を遡上。現地勢の抵抗にあい海に退却。幾多の困難を乗り越え、奈良盆地に足場を築く。神武天皇即位は前七〇年。その後の大和朝廷は武力によらず、各地有力者と姻戚関係を結んで勢力を拡大した。朝廷に朝貢しない熊襲、隼人、新羅を征伐した記録も、他の史料と整合性をもって読み解ける。また半島の新羅、百済、任那にあった諸小国も日本人の末裔で、言葉が互いに通じていた、と。
 かつて、記紀は神話で史料の価値なし!と捨て去られていた。まずは左翼的史観の呪縛から解き放たれることから全てが始まるという。古代史専門家は、記紀、シナ、朝鮮の歴史書を一切認めないか、内容を勝手に取捨選択していた。だが、古地理学の研究成果は動かし難い事実である。その土台の上に、記紀や周辺国の歴史書、考古学的な碑文などを総合的に読み解く。これは知的作業の醍醐味だ。著者の労による。すべてが解明されたわけではないが、ありがたいものだ。





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lx )韓国人は何処から来たか

lix )韓国人による沈韓論

lviii )竹林はるか遠く 日本人少女ヨーコの戦争体験記

lvii )日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか

lvi )こうすれば日本はもの凄い経済大国になる

lv )よくわかる慰安婦問題

liv )だから、日本人は「戦争」を選んだ

liii )嘘だらけの日中近現代史

lii )読む年表 中国の歴史

li )それでも、日本人は「戦争」を選んだ

l )真実の満洲史 1894〜1956

il )中国に立ち向かう日本、つき従う韓国

xlviii )あっぱれ!朝日新聞(笑)

xlvii )あっぱれ!懲りない朝日新聞(笑)

xlvi )千年、働いてきました 老舗企業大国ニッポン

xlv )未完の占領改革 アメリカ知識人と捨てられた日本民主化構想

xliv )学校では教えてくれない日本史の授業2 天皇論

xliii )外務省の罪を問う

xlii )困った隣人 韓国の急所

xli )チャイナ・ギャップ 噛み合ない日中の歯車

xl )なぜアメリカは対日戦争を仕掛けたのか

xxxix )日本被害史 世界でこんなに殺された日本人

xxxviii )アメリカは日本経済の復活を知っている

xxxvii )病むアメリカ、滅びゆく西洋

xxxvi )日本人はなぜ貧乏になったか?

xxxv )コミンテルンとルーズベルトの時限爆弾 迫り来る反日包囲網の正体を暴く

xxxiv )戦後日本を狂わせたOSS「日本計画」 二段階革命理論と憲法

xxxiii )韓国が「反日」をやめる日は来るのか

xxxii )南京「大虐殺」被害証言の検証 技術屋が解明した虚構の構造

xxxi )データで読み解く中国経済

xxx )なぜ日本人は、最悪の事態を想定できないのか 新・言霊論

xxix )韓国人が書いた 韓国が「反日国家」である本当の理由

xxviii )共産中国はアメリカがつくった

xxvii )誰が殺した?日本国憲法!

xxvi )アメリカはアジアに介入するな!

xxv )中国の戦争宣伝の内幕 日中戦争の真実

xxiv )暗黒大陸中国の真実

xxiii )So Far from the Bamboo Grove (竹林は遥か遠く)

xxii )嘘だらけの日米近現代史

xxi )世界史のなかの満洲帝国と日本

xx )東アジア「反日」トライアングル

ixx )日本人はなぜ無宗教なのか

xviii )ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて

xvii )世界史の誕生

xvi )コリアン世界の旅

xv )島国チャイニーズ

xiv )日本と世界を揺り動かす物凄いこと

xiii )ニッポンは誤解されている 国際派フランス人の日本擁護論

xii )ザ・コールデスト・ウィンター 朝鮮戦争 上・下

xi )日本は世界五位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率

x )文明の衝突と21世紀の日本

ix )在日・強制連行の神話

viii )何があっても日本経済は破綻しない!本当の理由

vii )大日本帝国の興亡(1)暁のZ作戦

vi )日韓がタブーにする半島の歴史

v )日本人のルーツの謎を解く

iv )完訳 紫禁城の黄昏 上・下

iiia )驕れる白人と闘うための日本近代史

iiib )驕れる白人と闘うための日本近代史

ii )下流社会 新たな階層の出現

i )心でっかちな日本人 集団主義文化という幻想

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