最終氷期極期の海水準とグリーンランド氷床氷解析
2017-04-18
最終氷河極期以降の海水準とグリーンランド氷床氷解析
太田陽子、小池一之、鎮西清高、野上道男、町田 洋、松田時彦著「日本列島の地形学」2010、p108より。
cal ka: 校正年代(千年前)。左端が約20000年前、右端が現在を示す。
δ18O: 氷床氷各位置の酸素同位体の割合い(‰)。
GISP2: Greenland Ice Slice Project 2:デンマーク, スウェーデン, 米国の解析プロジェクトによるデータ(灰色)、GRIP: Greenland Ice core Project:欧州8ヶ国の解析プロジェクトによるデータ(黒)。
H1: Heinrich event 1(ハインリッヒ事象):氷河に削り取られた岩石が氷山に含まれ、氷山が融けた時に岩石は海底に沈む。海底に堆積する岩石を解析した H. Heinrich は、大きな特徴を持つ6つの出来ごとを特定した。その第一番目が H1 である。
B/A: Bølling/Allerød warm period(ボーレン/アレレード温暖期)、最終氷河極期以降にあった温暖期。14.7-12.7千年前。
YD: Younger Dryas(ヤンガー・ドライアス)亜氷期、B/A温暖期後にあった寒冷期。12.9-11.6千年前。
海水準:各年代における海面レベルを現在との比較で示す。
MWP-1A, MWP-1B: Melt-Water Pulse(融解水衝撃)、急激な温暖化により氷が融けて海面が一挙に上昇した出来ごと。B/A暖期に突入した時期を1A、YD亜氷期が終了して温暖化した時期を1Bとしている。